2024年06月20日

不動産は不動産業者を介さず個人間で売買できる?

結論から申し上げると、個人での売買は可能です。
しかし、高額取引となる不動産の売買、法律も絡んで実はリスクが高い取引。
本記事では、不動産を個人で売買が出来る場合と出来ない場合について説明します。 

不動産の個人間取引のリスクと売却時の注意事項についてはコチラの記事をご覧ください。 

不動産を個人で売買できる場合

自己所有の不動産を売買する場合

個人が自分の所有する不動産を売却する場合、特に免許や資格は必要ありません。
これは単発的な取引であり、営利目的ではないためです。

より詳しく説明すると
宅地建物取引業者が必要な宅地建物取引について下記のように定義されています。
 
宅建業法第2条第2号の定義
宅建業法第2条第2号では、宅地建物取引業について以下のように定義されています:。
宅地建物取引業とは、「
宅地若しくは建物(建物の一部を含む。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為でとして行うものをいう。
 
要約すると、 

1.自ら売買、交換する行為
2.他人の売買、交換または賃貸の代理または媒介をする行為


つまり、自己の所有に属しない物件を他人のために売買、交換または賃貸する行為や、自己の所有に属する宅地や建物を他人に売却、交換することを業として行う場合、宅地建物取引業に該当します。

逆に、上記1,2に該当しても業として行わなければ、宅地建物取引業に該当しないということになります。 

では、この「
業として」とはなにか、
「業として」とは、反復継続して、かつ営利を目的として行うことを意味します。

したがって、個人が一時的に、または営利を目的とせずに不動産の代理や媒介を行う場合や、友人や家族のために一度だけ不動産の売買や賃貸の手続きを手伝う場合など、営利目的ではなく単発的に行う場合は、免許は必要ありません。

もう一つ説明を加えると、
日本の民法は、一般的な契約に関する基本的なルールを定めており、不動産の売買もこれに含まれます。

民法第555条(売買)
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

民法第556条(売買契約の成立)
売買契約は、売主が財産権を買主に移転することを約し、買主がその代金を支払うことを約することによって成立する。

これらの条文により、不動産の売買は個人間で契約が成立すれば有効であることが示されています。

家族や友人との間で不動産を売買する場合

家族や友人間で不動産を売買する場合も、基本的には問題ありません。
ただし、個人的な取引なのか、反復継続にあたらないのかの判断は具体的なケースで異なる場合があります。
そのため、専門家(弁護士や宅地建物取引士)に相談することをお勧めします。
また、不動産業者に頼まない場合でも、法律に則った契約書の作成や登記の手続きは必要です。

不動産を個人で売買できない場合(または制限がある場合)

営利目的で継続的に不動産を売買する場合

不動産を営利目的で継続的に売買する場合は、宅地建物取引業法の規制を受けます。この場合、宅地建物取引業者として国土交通大臣または都道府県知事の免許を受ける必要があります。

他人の不動産を代理して売買する場合

他人の不動産を代理して売買する場合も、宅地建物取引業法の規制を受けます。この場合も宅地建物取引業者としての免許が必要です。

未成年者が不動産を売買する場合

未成年者が不動産を売買する場合は、親権者または後見人の同意が必要です。未成年者は民法上の制限行為能力者とされているためです。

まとめ

個人で不動産を売買できる場合

・自己所有の不動産を単発で売買する。
・家族や友人との間で売買する。


個人で不動産を売買できない場合(または制限がある場合)

・営利目的で継続的に不動産を売買する。
・他人の不動産を代理して売買する。
・未成年者が売買する(親権者または後見人の同意が必要)。

以上のように、個人が不動産を売買する際の法的な根拠と制限について理解しておくことが重要です。
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